アトラスの海

アトランティスと戦った時代のアテナイ [編集]
9000年以上前、ヘラクレスの柱の彼方に住む人々とこちらに住む人々の間で戦争が行われた時、それぞれアテナイアトランティスが軍勢を指揮した。当時のアテナイ市民は私有財産を持たず、多くの階層に分かれてそれぞれの本分を果たしていた。また、当時のアテナイは現在よりも肥沃であり、約2万人の壮年男女からなる強大な軍勢を養うことが出来たし、アテナイのアクロポリスも遥かに広い台地であったが、デウカリオンの災害から逆算して三つ目に当たる彼の大洪水により多くの森が失われ、泉が枯れ、今日のような荒涼とした姿になってしまった。また洪水のたびに山岳に住む無学の者ばかりが生き残るため、今日アテナイには当時の統治者の名前ぐらいしか伝わっていない。エジプトの神官は当時のアテナイの王の名前として、ケクロプス(Κέκρωψ, Kekrops)、エレクテウス(Ἐρεχθεύς, Erechtheus)、エリクトニオス(Ἐριχθόνιος, Erichthonios)、エリュシクトン(Ἐρυσίχθων, Erysichthon)などを挙げたとソロンは証言している。
アトランティスの建国神話 [編集]
アトランティス島の南の海岸線から50スタディオン (約9.25 km)の位置に小高い山があり、そこで大地から生まれた原住民エウエノル(Εὐήνωρ, Euenor)が妻レウキッペ(Λευκίππη, Leukippe)の間にクレイト(Κλειτώ, Kleito)という娘を生んだ。アトランティスの支配権を得た海神ポセイドンはクレイトと結ばれ、5組の双子の合計10人の子供が生まれた。即ち『アトラスの海』 (大西洋) の語源となった初代のアトランティス王 アトラス、スペインのガデイラに面する地域の支配権を与えられたエウメロス(Εὔμηλος, Eumelos) ことガデイロス(Γάδειρος, Gadeiros)、アンペレス(Ἀμφήρης, Ampheres)、エウアイモン(Εὐαίμον, Euaimon)、ムネセウス(Μνησεύς, Mneseus)、アウトクトン(Αὐτόχθον, Autochthon)、エラシッポス(Ἐλάσιππος, Elasippos)、メストル (Μήστωρ, Mestor)、アザエス(Ἀξάης, Azaes)、ディアプレペス(Διαπρεπής, Diaprepes)で、ポセイドンによって分割された島の10の地域を支配する10の王家の先祖となり、何代にも渡り長子相続により王権が維持された。ポセイドンは人間から隔離するために、クレイトの住む小高い山を取り囲む三重の堀を造ったが、やがてこの地をアクロポリスとするアトランティスの都、メトロポリス(μητρόπολις, metropolis)が人間の手で形作られていった。